高血圧の元を絶て! 内臓脂肪が作る高血圧の根元の危険なホルモン ~アンギオテンシノーゲンと血圧を下げる食べ物2種~

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高血圧の原因の一つが
内臓脂肪が作る
アンギオテンシノーゲンの過剰

今日はこの仕組みを考えてみましょう。

血圧の調節には
レニンーアンギオテンシンーアルドステロン
というホルモンが滝のように
連なって関係しています。

血圧調節のホルモンの始まりが
アンギオテンシノーゲンなのです。

アンジオテンシノーゲン
主に肝臓でつくられます。

そして腎臓から分泌される
タンパク質分解酵素レニンの作用で
アンジオテンシンⅠに作り替えられ、
血液にのって肺を通っている時に
アンジオテンシン変換酵素の作用で
アンジオテンシンⅡに変わります。

アンジオテンシンⅡ
強力に末梢の血管を収縮させます。
ホースの先端をギューッと絞るわけです。

また、腎臓の上にちょこんと乗っている
副腎皮質でつくられる
アルドステロンという
ホルモンの分泌を促します。

アルドステロン
ナトリウムを体にため、
血液の水分量を増やすため、
血圧の上昇を進めます。

要するにアンギオテンシノーゲン
血圧を上げるための始まりのホルモンなのです。

ところで脂肪細胞は
アンギオテンシノーゲンを作るのです。
内臓脂肪の増加に伴ってその量が多くなります

そしてアンジオテンシノーゲンの量が増えると、
滝の流れが多くなり、
血圧を上昇させます。

内臓脂肪のある人はない人に比べて
2.33倍高血圧になりやすいという報告があります。
また、内臓肥満がある人の約半分が高血圧なのです。

ちなみに高血圧の薬として使われるACE阻害剤は
アンジオテンシンIをアンジオテンシンIIに変換する
ACE(アンジオテンシン変換酵素)を邪魔する薬です。

ARB(アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬)は
アンギオテンシンⅡが働くのを邪魔する薬です。

データの改ざんで話題になった
バルサルタンはこのARBの一つです。
私も昔患者さんに使っていたことがあります。
偽データは絶対許せませんが、
薬そのものは比較的副作用が少なく、
高血圧に対してもよかったです。

アンギオテンシンⅡや
アルドステロンに血圧を上げる作用があるので、
これを邪魔して血圧が下がるわけです。

また、塩分制限はアルドステロンの作用に関係しています。

ちなみに日本人の高血圧の人の半分くらいが
遺伝的にナトリウムが体にたまって血圧が上がるので、
塩分を制限すると血圧が下がります。

一方、半分くらいの人は
塩分と関係のない高血圧と考えられ、
塩分を減らしても血圧が下がりません

でも、歳と共に塩分で血圧が
上がりやすい傾向があることも分かっています

現時点で高血圧ならば、
塩分制限を試してみるのはやはり価値があると思いますね。

でも、それ以上に大切なのは
塩分と反対の作用をしてくれるカリウムを摂ること
カリウムの多いのは生野菜や生の果物です。

煮物の野菜の場合は煮汁に出るので
お汁も一緒に飲んでしまいましょう

ところで、アンギオテンシノーゲンも、
他のアディポサイトカインと同じように、
元から減らすことの方がよいと思われませんか?

薬で枝葉を減らすより、
肥大化した内臓脂肪を減らして
アンギオテンシノーゲンの量を正す方がよっぽど効率的です。

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Comments

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コメント

  1. 井口雅夫 より:

    松本さん

    最近のドクターは直ぐにARBを処方したがりますね?
    貴兄のように、抜本的な食生活の改善指導をするのが正道かと思います。

    小生は、精製塩(NaCl)を海塩(海水から作られた微量ミネラルを残したもの)
    に代えて、血圧を安定させました。

    1. 松本 明子 より:

      井口さん、
      ご感想をありがとうございます。

      医師による食事指導の保険点数が
      妥当性のあるものでなければ
      日常の診療で、きちんとした食事指導をするのは
      まず無理です。

      保険診療でまともな食事指導をしたら、
      待たされる患者さんは怒り狂い、
      収入にもならず、
      すぐに大赤字で閉院です。
      そこの医療制度もご理解頂けると幸いです。

      だから、栄養療法をしている先生は
      多くが保険外診療なのです。

      1時間2万円位など、
      保険診療に比べたら高額に思えるかもしれませんが、
      アメリカでは15分程度の診療で2万円位しますから、
      まだまだ安いと思います(笑)

      でも、井口さんのご指摘通り、
      抜本的な食生活の改善指導が王道で、
      しかもよく効きます。
      現実的にはまだまだ詳しい医師も栄養士も少なく、
      こうした先生方に患者さんが集中し、
      完全予約制でなかなか診察して頂けないのも
      難点です。

      私自身はそうした問題を解決するために
      オンラインで食事や栄養指導をしております。

      天然塩も色々ありますが、
      精製塩でなく天然塩、いいですね!
      血圧の安定のためにはカリウムも多く摂ってくださいね!
      カリウムは生の野菜や果物や、野菜の煮汁に多いです。
      腎臓に問題がなければ
      しっかり摂ってくださいね。