高コレステロールの薬は心臓発作をどの位減らす?

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日本では人間ドックや検診が海外に比べると圧倒的に低価格で受けられるので、
皆さんも会社の検診などで一度はそうした検査を受けられたことがあるかもしれません。

人間ドック学会の統計によると
肥満、高コレステロール、高血圧、
糖尿病の始まりともいえる耐糖能異常などを指摘される人が昨今急激に増え、
1984年にはこうした異常を指摘される人は10%前後だったのに、
今では30%を超える項目まであります。

中でも高コレステロールは1990年には40歳未満で6%弱だったものが20%に、
60歳以上で12%弱だったものが40%弱にまで3倍も増えています。

そんな中、コレステロールの薬を勧められる人も多いと思います。

コレステロールの薬にはいくつか種類がありますが、
大雑把に言うと
スタチン系のように
肝臓でコレステロールを作らせないようにする働きのあるもの、
コレスチラミンのように
腸管でコレステロールを吸収しにくくしたり、
コレステロールをうんこに出しやすくする働きのあるもの、
プロブコールのように
コレステロールの胆汁排泄を促すものなどがあります。

そもそもコレステロールが高いことがどれほど問題になるかを差し置いて
薬の話をするのも変ですが、
今日はこの一つ、スタチン系のお話です。

このスタチン系の薬を使ったら、
普通の量では心臓発作のリスクを29%、
多い量では心臓発作のリスクを43%も下げると報告されています。
ウワー、これはすごいですね~。

でも、よく見ると、
薬なしの場合の絶対リスクは7.5%、
薬を使った時の絶対リスクが5.5%と4.5%で、
2-3%しか違わないんですね。
この2%の違いが29%や43%という数字に膨れ上がるのです。

50人を治療して1人がスタチンによる恩恵を得られ、
残りの49人は、とも言えます。
ウーム・・・という感じですね。

スタチンが万人に安全な薬であればそれでも1/50の確立に当たれば
幸運と考えられます。
しかし、残念ながら全ての薬剤には副反応の可能性があります。
50人に1人は糖尿病になる危険があり、
10人に1人は筋肉障害が起きる可能性があるのです。

スタチンはその作用機序から
ミトコンドリアを障害する可能性や栄養不足を引き起こす可能性があるからです。

では、
心臓病リスクを下げるためには
他にどんな方法があるり、どの位下がるのでしょう?

面白い研究は幾つかあります。
・ダークチョコを毎日食べる
・片手いっぱい程度のナッツを毎日食べる
・毎日30分運動する
・猫を飼うなどの方法が報告されています。

ただし、ナッツがダメな人もいるし、
チョコレートで気分が悪くなる人もいますから
人類すべてに効く方法はないと思いますので
そこはご注意を!

それにこれを見てスタチン系の薬剤を、
担当の先生に無断で止めることは絶対にないようにお願いします。
ちゃんとよく相談してから継続するか中止するかを決めて下さいね。

私も統計の数字を使うことがありますが、
意図せずに結論を誘導していることがあるかもしれません。
皆さんも数字の裏にあることをよく考えて
何でもかんでも鵜呑みにしないようにして下さいね。

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