栄養不足が高血圧の一因

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

最近、高血圧を指摘される人は多いですよね。

日本人間ドック学会は1984年には10%程度だった高血圧が、
2015年には25%近くの人に認められると指摘しています。
25%ということは4人に一人で、国民病とも言えます。

高血圧は、症状が何もないのに、
放置すると心臓発作や脳卒中、ボケ、突然死などの原因になる
恐ろしい状態です。

日本では高血圧の90-95%の人が
原因のはっきりしない本態性高血圧です。

逆に言うと原因がはっきりわからなくて、いつまでも治療がいる、
というパターンになりがちです。
ただし、原因がはっきりしないとされてきましたが、
実は少しずつ明らかになってきています。

高血圧は慢性の鉛、ヒ素、カドミウムなどの毒性金属と関連ますが、
体の栄養不足とも関係しているのです。


高血圧の患者671人の栄養状態を調べて、
治療した報告があります。

薬なしの血圧が140/90から210/115のかなりな高血圧の患者さんで、
細胞内の微量栄養素の解析、
血漿レニン活性とアルドステロンを確認
・降圧剤で治療しつつ食事療法、
治療的な量の栄養素をサプリメントで投与、
エアロビと筋トレを入れて体組成の改善をしてもらいました。

栄養素では高血圧の患者さんでは

タンパク質のセリン、アスパラギン、
ミネラルのマグネシウム、カルシウム
ビタミンのビオチン、チアミン、ビタミンD
ビタミン様物質のコリン、
植物栄養素のリポ酸、CoQ10、抗酸化物質
などが不足しており、

それらを補充するような食事と運動、生活態度の改善で、
6か月後には抗酸化物質の量が著明に改善し、
97%の栄養素が補充できました。

そして62%の患者さんが血圧を120-80~126/84に管理でき、
全ての薬を漸減中止できたのです。
Houston, MC. The role of cellular micronutrient analysis and minerals in the prevention and treatment of hypertension and CVD.J of Therapeutic Advances in CVD..2010; 4:165-83

これまで、高血圧の薬は飲みだしたら一生続けなければいけない、
と心配する方も多かったでしょうが、
根本的なところに手を入れると、
薬は中止できるかもしれないのです。

もちろん、高血圧には栄養や運動不足だけでなく、
睡眠不足やストレスも関係していますから、
食事や栄養素の補充だけで良くなるわけではありませんが
自分の栄養状態を把握してそれに対処すれば、
少なくとも一生薬を飲み続けなければいけないという思い込みからは
解放されるのではないでしょうか。

体内状態をバイオケミカル検査で詳しく知って、
慢性の病気の栄養・生活アドバイスに役立てたい方は
バイオケミカル検査 のページをご覧ください。

Comments

comments

  • このエントリーをはてなブックマークに追加