風邪に薬がいるか? 気軽に風邪薬を飲むべきでない理由

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冬は風邪の患者さんが増えます。
その理由は別の機会に譲るとして、
風邪に効く薬はあるのでしょうか?
風邪に薬は必要でしょうか?

まず結論から。
残念ながら、
風邪ならば薬では治りません。
ですから、薬は基本的には要らないのです。

そもそも風邪って何なのか?

のどや鼻や気管という空気の通り道に
くっついて悪いことをするウイルスが原因になるのです。

普通は咳・鼻水・のどの痛みがあります。
これらの症状が急激に同時に出てきます。
二つ以上は症状がしばしばあります。
だから、熱だけの風邪というのはほとんどありません。
ついでに、ほとんどが放っておけば治ります。
どこにも出かけずに家でゴロゴロするのが一番なのです。
それがもっとも自分にも他の人にもよい方法です。

ちなみに風邪のウイルスですが、
山ほど種類があるので、
皆さん何度も何度も生涯で風邪を引くのです。

おたふくやはしかのようにウイルスが一種類だと、
一度かかってしまえば免疫ができて二度とかからないのです。

よく、風邪の薬を発見するとノーベル賞ものだ、
なんて言いますが、
多種多様のウイルスを根本的に治す薬は
いつまで待っても登場しないでしょう。

要は、風邪に効く薬などないのです。
では、風邪薬って何なのでしょう?

咳が出るのも鼻水が出るのも
ウイルスを体から出そうとする体の反応。

一般に「風邪薬」と言われるものは
処方してもらう薬も
薬局で買える薬も
これらの反応を無理矢理押さえつけるのです。

ですから、理論的に風邪薬で早く治るわけもありません。

どーしてものどが痛いから何とかして~とか、
咳があんまり出て夜眠れないからとか、
鼻水が人に散って迷惑をかけるとか、
そうした症状をどうしても
今、抑えなければ生きていくのが大変だ!
と言うときは仕方がありません

仕事だ旅行だ、試験だ、と
火急の予定があることもあります。

そういうときは薬も薬に立つことがありますね。

問題は風邪との区別が難しい病気があることです。

細菌感染では、多くの場合が抗生剤が要りますし、
咳が出始めたと思ったら心不全で、
翌日には息ができなくなって救急車で入院したとか。

すごーく怖いのは壮年男性にある急性喉頭蓋炎。
のどが痛くなったと思ったら
あれよあれよという間に息ができなくなって、
窒息して亡くなってしまう病気です。
この病気だと救急車で運ばれても助からないことも多いです。

風邪だと思って様子を見ていたら
カビによる肺炎で、急性白血病だった方もおられます。

どれも、鼻水・咳・のどの痛み だけとは違いますので、
ご自分でもこりゃおかしい、と思えると思います。

また、風邪を引いたから
抗生剤を出して下さい、という方がおられますが、
抗生剤は細菌には効きますが、ウイルスには効きません。

風邪に抗生剤を出すお医者さんがいるのは、
特に糖尿病や高齢で弱った人などでは
風邪に引き続いて他の病気になる人がいるからです。

これに対しては賛否両論がありますが、
答えはありません。
私は本心は出したくない派です。

ちなみに風邪薬にも副作用があります。
市販の薬では風邪薬での副作用報告がとても多いです。
2007~11年度の5年間に
厚労省は薬の副作用で12人が亡くなった可能性があると発表しています。

その中でも風邪薬が原因と思われるものが
多かったのです。
風邪薬の使われる頻度を考えると
当然かもしれませんが。
なお、入院がいるほどの副作用では公的救済措置がありますので、
副作用報告と共に連絡しましょう。
連絡先はここでに詳細があります

多分、日本国内だけだと思いますので悪しからず。

今日は軽く川柳を。
風邪薬、それでも飲みたきゃ、ご自由に
風邪薬、試しに飲んだら副作用

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