心筋梗塞になる根元の理由と対策 ~内臓脂肪が作る動脈硬化の原因ホルモン類 MCP-1~

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内臓脂肪から出るサイトカインには
戦闘隊長の指令のようなものがあります。

世間では悪玉と呼ばれるMCP-1とは、
単球走化性因子とか、単球活性化タンパクといわれるもの。

もともとは全身の血管の細胞や、
肝臓や肺などの臓器に住む
兵隊細胞であるマクロファージなどの
全身の細胞から出る物質です。

若干それますが、
MCP-1が呼び寄せる単球とは何でしょうか?

単球とは白血球の一種で体の免疫細胞の一つです。
細菌やガンなどの体にとっては邪魔者を
退治するのが本来の役割です。

MCP-1は単球を呼び集めて、
マクロファージに変身させ強力にし、
さらにTNF-αや
ライソゾーム、
活性酸素、
IL-6(Bcellから抗体産生細胞への分化を促す)といった
武器を手に取るように促す物質です。

呼び集めて武器を作らせて働かせる、
言うなれば、軍隊の隊長さんの指令のようなものです。

これって、とても大切な作用ですよね!

でも、時としてこれが行きすぎることがあります。
これが遅延型アレルギー、関節リウマチなどと関わっています。

ところで肥大化した脂肪細胞も
なぜかMCP-1を出すのです。

MCP-1は血管の中にいた単球を呼び寄せて、
働け~と指令を出します。
そして単球からマクロファージに進化した兵隊は、
MCP-1の命令で活動的になり、
手持ちぶさたで銃を乱射するのです。

せっかく武器を作ったのですから、使わなくっちゃ!というわけです。

動脈硬化は血管内の
酸化LDLコレステロールなどの強力な毒を
マクロファージが食べるところから始まります。

食べながら銃を乱射して、ゴミを処理しようとするのですが、
上手く処理できずにしかも自分も上手く死ぬことができずに
ゾンビとなって仲間とともに塊を作っていくのです。

これが動脈硬化です。
それで血管の中が狭くなっていくのです。

内臓脂肪がMCP-1という単球を集める指令を出しまくるので、
きっと戦いも激化してくるのでしょう。

実際、心筋梗塞の患者さんでは
血中のMCP-1が多い方が再発しやすいことが分かっています。

その上、単球が作る武器の中のTNF-αは
ガン細胞をやっつけてくれると同時に、
インスリンを効きにくくさせる、
などの嬉しくない作用もあるのです。

糖尿病の患者さんでは
MCP-1の血中濃度が高ければ高いほど
インスリン抵抗性が強いことが知られています。

ところでこのMCP-1を減らす方法ってあるのでしょうか?

実験ではジ・ニコ・システイン酸クロムや
ビタミンCでMCP-1が減るという報告があります。
ヒトではどうなのか、まだ何とも言えませんが、
多少期待はしてもいいかも。

ちなみに
クロムは肉類や魚類、野菜類にありますし、
ビタミンCも野菜や果物に多いですね。

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もご覧下さいね。
 

参考
Mol Nutr Food Res. 2010 Sep; 54(9):1371-80.
L.Jpn.Coll.Angiol.2003,43:149-153

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