五大毒性金属

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私も使っているドクターズ・データ社の毛髪毒性金属、必須元素検査では
毒性金属を17種類、必須元素、いわゆるミネラルを22種類測定します。

この中で、特に大きな問題になるのが
アルミニウム、ヒ素、カドミウム、鉛、水銀です。

他にも毒性金属はありますが、
これらの金属は特に日本人には多く、
また細胞への影響、つまり体への影響が大きなものです。

<アルミニウム>


細胞内では酸化を促進する働きがあり、
体の酸化ストレスが増加し、
細胞内でエネルギーを作っているミトコンドリアの機能が低下します。
酸化ストレスは全ての病気や過剰な老化に関係しています。

代謝遺伝子のタイプによっては
セロトニンやドーパミンなどのホルモンにも大きく影響します。
いわゆる幸せホルモンに影響するわけで、
統合失調症との関連も疑われています。
脳の神経に異常を来すことが多く
アルツハイマーとの関連も否定されていません。

ベーキング・パウダー、色止め剤、品質安定剤、着色料などの食品添加物として、
薬剤、野菜類など色々なものに含まれています。
ホットケーキやクッキー、ケーキなどには多く含まれます。
アルミ缶や調理器具からも溶出するとされ、
そうした飲み物、アルミの鍋などを止めることから始めるとよいですね。
また、ベーキング・パウダーはアルミの入っていないものもありますので
そうしたものにすると良いでしょう。

<ヒ素>


古来より暗殺のための毒薬として用いられてきました。
ナポレオンも毛髪分析で通常の13倍のヒ素が検出されています。
(セントヘレナ島で曝露されたらしい)
印象派の画家がよく使ったエメラルドグリーンにはヒ素が含まれており、
ゴッホが気が狂ったのもヒ素が関与している可能性があります。

1955年に、森永の粉ミルクにヒ素が混入した事故では
乳幼児に130人の死者がでました。
被害者は12000人を超え、
8割の人に知的障害など後遺症が残ったとされます。
和歌山でカレーにヒ素を入れた事件では
4人が亡くなり63人が急性中毒になりましたが、
こうした急性中毒だけでなく、
慢性の中毒も大きな問題を起こします。

有機ヒ素と無機ヒ素がありますが、
問題になるのは無機ヒ素です。
ヒ素を体から無毒化して出すために多くの栄養素が使われるので、
細胞の中でエネルギーが無くなっていきます。
・ビタミンA欠乏が起きやすい
・爪に白い線ができる
・体からニンニク臭がする
・皮膚が点々または全体が黒くなる
・皮膚がん、肺がん、腎臓がん、膀胱がん
・肝障害、肝硬変
・貧血
・脱毛
・エネルギー不足で元気がない、怠い
といった症状が起きます。

農薬、井戸水、鹿児島の火山灰、染毛剤、ヒジキ、お米
海草由来のサプリメント、ヘナなどにも多いとされます。

お米という植物の特質として、何故かヒ素をため込む傾向があります。
ヒ素は特に外側にありますので、玄米などは要注意です。

ヒジキが好きでたまらない!という場合は、
調理にちょっとした工夫が必要です。

<カドミウム>


神通川領域のイタイイタイ病で知られるカドミウム。
カドミウムは体内の多くの酵素にとって大切な亜鉛にとって代わり、
タンパク質の合成やアルコール処理、
グルタチオンという抗酸化物質を邪魔したり
骨や腎臓や呼吸器系の病気の原因になります。
特に
腎臓の「編み目」である尿細管に引っかかって、
腎臓の機能が低下し、多尿・頻尿・口渇・多飲などの症状を起こします。

また、骨への影響は大きく、骨軟化症が進み、
くしゃみしただけで骨が折れて寝たきりになることもあります。
骨が折れて痛いから、イタイイタイ病という名前になったのですね。

その他、便秘、神経障害、肝障害の原因にもなり、
ホルモンかく乱物質の一つなので、
男女の不妊とも関係が深いとされます。

血管の中で亜鉛の働きを邪魔するので、心臓病の原因にもなります。

(受動)喫煙を含む喫煙・排気ガス、粉塵、
塗料、電池、肥料、農産物(特にお米)、魚介類、などに含まれます。

ちなみにお米の中のカドミウムに関しては
厚労省による規格基準では以前より厳しくなった(1.0→0.4mkg/kg)ものの、
日本は国際基準の4倍までOKとし、基準が甘いです。

これは米農家に配慮したのか、
「品質の悪い米を国が買い取る」
つまり「粗悪品に対し、余すところなく税金を投入する」という制度の
金銭的な問題なのかは私はわかりません。
詳しくは厚労省 食事中のカドミウムの規格基準をご覧ください。

<鉛>


ベートーベンは鉛中毒だったことが知られていますが、
古代ローマ時代から鉛は酢酸に溶けると甘いことが知られ、
食器に鉛を使っており、
このころからすでに鉛は危険だと知られていました。
古代ローマ人の人骨から鉛が高濃度の検出されています。

細胞の中のエネルギーを作る酵素を邪魔するので、
細胞に元気がなくなって、様々な症状が起きます。

吐き気などの消化器症状、
うつ病や会話能力、集中力の低下、発育の遅れなどの神経症状、
疲労、運動障害、肝障害、腹痛、貧血などが起こります。
カルシウムと置き換わり骨に蓄積して骨が折れやすくなります、

日本では1995年以前の水道管は鉛が使われていました。
殺虫剤、タバコの煙、白髪染めにも含まれる場合があります。

<水銀>


古くは奈良の大仏の建立時、水銀と金の合金を使ったために、
作業者が水銀蒸気を吸って、死者が発生しました。
熊本県の水俣市や新潟県の阿賀野川流域での水銀中毒が有名ですね。

水銀が蓄積すると、身体の中でエネルギーを作りにくくなり、
身体がだるい、疲労、副腎疲労、うつ病、発達障害などの神経症状、
口の問題、運動障害などが起きます。

生物濃縮するので大型魚に多いこと、
ワクチンの防腐剤としても使われます。
水銀は体温計や血圧計にも使われましたし、
蛍光灯にも使われています。
これらが壊れた時、水銀は揮発して空気中にばらまかれます。
水銀って常温では液体だし、だからこそ体温計に使えたわけですが。
気体になる温度も低いのです。

虫歯の時の詰め物としても使われてきました。
現在は保険診療ではアマルガムを使えなくなりましたが、
アマルガムは加工しやすく、殺菌作用も強いので、頻繁に用いられました。
私も子供の頃は歯に入っていたのだろうと思います。

水銀は気化する温度が低いので、
熱いコーヒーを飲んだり、食事で歯をしっかり使って噛むだけで
気化した水銀を吸入してしまいます。

かといって、不用意にアマルガムをはずすと、
もっともっと水銀を吸入してしまうことになりますので
きちんとアマルガムをはずす訓練を受けた
歯科医での治療でなければ危険です。

幸い歯科アマルガムも保険適応はすでに無くなり、
2020年に水銀入りの蛍光灯は禁止されます。

<調べてみなければわからない>

いろんな毒性金属が、
色々な経路から体に入り込みます。

すでに体内に取り込んで貯めてしまったこれら毒性金属にどう対処していくかは
その人の健康状態、目的によって全く異なります。

食事と生活改善だけでなかなか改善しない方だけでなく、
特に症状がない人も検査してみることで
自分の状態を把握することから始めてみてはいかがでしょうか。

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毛髪中の毒性元素、必須元素の検査(毛髪ミネラル)

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