突然おしっこに行きたくなる・漏れる 過活動性膀胱(切迫性尿失禁)

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「おしっこが漏れちゃう」
中高年になるとよくある悩みの一つですが、
主に
突然行きたくなって漏れてしまう、という場合と
くしゃみや咳や笑った時に漏れてしまう、という場合の
2種類(同時に混ざったものも)あります。

ここでは
突然行きたくなって漏れてしまう、という場合の
切迫性尿失禁(過活動性膀胱)について取り上げます。

簡単な見分け方

過活動性膀胱(切迫性尿失禁)

症状
・急におしっこが我慢できず漏れてしまう
家に帰ってドアのノブに手をかけた途端、トイレに行きたくなって間に合わない
冷たい水に触れた途端、突然トイレに行きたくなるなど

・1日に8回以上おしっこに行く
・夜間2回以上おしっこに行く

自分で簡単に調べるには

疫学-どんな人に多いか
男性にやや多い
40歳で’5%、50歳で10%、60歳で20-30%
加齢とともに増加
失禁の40-70%
過活動性膀胱の人の40%が、実際に失禁がある

原因
・はっきりしないもの
・神経障害
糖尿病、
椎間板ヘルニア、
多発性硬化症、
パーキンソン病、
アルツハイマー病、
放射線治療、
脳卒中、
甲状腺機能亢進症、
ケガ など、膀胱をつかさどる神経に異常をきたす病気
・閉経
エストロゲンのバランス異常ないし加齢が疑われる
・腎・泌尿器疾患
腎結石、
尿路感染症、
尿道狭窄、
前立腺肥大-小さくても硬い場合は原因になる
膀胱がん など、器質的な異常を来す病気
・利尿剤
・太りすぎや骨盤底筋群の低下(腹圧性尿失禁)
・骨盤底筋群の脆弱化
出産後、
手術後
加齢 など

機序
膀胱壁が急激に収縮すること
壁内の筋肉細胞が無意識のうちに収縮してしまう。
これにより膀胱全体が収縮して失禁になる。
カフェインの入ったものが多すぎる可能性もある。

治療法

筋トレ Kegal体操
まず、どこに骨盤底筋群があるかを理解する

①  おしっこの途中で我慢して止める。そして、どこの筋肉が必要かを意識する。
やりすぎると尿道を傷つけることもあるので、最初に意識してみるときだけ使う。
② 足を曲げ仰向けになっておしっこを止めた時と同じ筋肉を意識しながら5秒間筋肉に力を入れる。力を抜いて数秒。これを繰り返す。
③ ②が簡単になったら5秒を10秒に伸ばす。それを10回。
④ ③を毎日3回繰り返す。
腹筋、大腿部、お尻の筋肉に力を入れないですること。
わかりにくい場合は
女性は膣の中に指を入れて締まるか、
男性はお尻の穴に指を入れて締まるかどうかを確認すると良いです。
指はきれいにしてくださいね!

勃起障害にも役立ちます。

きっかけとなる飲食物を避ける
・アルコール
・カフェインの入ったもの
・柑橘類(ジュースも)
・クランベリージュース(意外だけれど・・・)
・ソーダや炭酸飲料
・人工甘味料
・乳製品
・糖分の多いもの

Management of overactive bladder syndrome
寝る前にトイレに行く

・寝る前に水分を摂りすぎるとより起きやすいので、5-6時ごろまでに水分を終了する。
たとえ行きたくなくても、寝る直前に必ず排尿する

膀胱訓練

・排尿時刻をおおよそ把握して、それよりも15分後にトイレに行くようにする。
ちょっと我慢してみる

週に1度、30分間のツボ押しを10週間続けると80%近くの人が改善したとの報告も。

SP6, CV4 (RN4)、KI3.

Philp T, Shah PJR, Worth PHL. Acupuncture in the treatment of bladder instability. British Journal of Urology 1988 Jun: 61(6); 490-493.
三陰交(さんいんこう)、 くるぶしの辺
太谿(たいけい)     くるぶしの辺
関元(かんげん)     おへそと恥骨の中間あたり

・タバコを止める

ちなみに、薬剤療法もあります。

泌尿器科に相談されると良いでしょう。

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