今回は日本人のガンの中でも、
4-5番目の死因の膵ガンについてです。
膵ガンって、
胃ガンや大腸ガンほどは親しみ（？）のあるガン
ではないのですが、
少ない割に死亡者数が多いガンです。
男性も女性もガン死亡の４－５番目。
胃ガンや大腸ガン、
前立腺や乳ガンになる人の方がずっと多いのに、なぜ？
大腸ガンや胃ガンや乳ガン・前立腺ガンは
ガンだってわかっても、手術などの治療で、
結構何とかなることが多いのです。
比較的見つけやすいし、
大きく見つかっても何とかなることがある。
でも、膵ガンはとても難しい。
見つけにくいし、
小さく見つかってもどうにもならないことが多い。
もちろん、医学の進歩で
膵ガンにも治療法がいくつかあるのですが、
副作用が少なくて
とっても効果がある治療法もないんですね～。
５年後に生きている確率が
大きさが２cm以下のものでも30%、
それ以上だと10％位なんです。
つまり、「なったら最後、死ぬしかない」
という感じのガンなのです。
私の知人のお父さんも60代で、
あれよあれよと１年くらいで
亡くなったと話していました。
私も膵ガンの患者さんを診たことが何度かありますが、
長期にお元気な方は残念ながらおられません。
私より30年程度先輩の外科医も
膵ガンで10年以上お元気だったのは
一人だけと話していました。
人はいつか死ぬとしても・・・
膵ガンの場合は生きている間の症状もひどい。
お腹が痛いわ、背中が痛いわ、
場所によっては肌が黄色になるわ、
食べられなくなるわ。
「せめて安らかに過ごしたい」
という患者さんや家族の思いを踏みにじるガンです。
でも、症状だけで膵ガンとはなかなか分かりません。
さらに、治療費もかなりかかります。
ガンの全体の平均は150万円だけど、
早期発見の膵ガンは180万円くらいとの統計もあります。
でも、個室費だの、交通費だのも考えると500万円近くかかることも。
これ、医療費が格安の日本の話で、
もしアメリカでなったら、一般人は破産ですね。
つまり、絶対になりたくないガンの一つです。
さて、そういうガンにはならないのが一番！
で、今回はその膵ガンを
予防する可能性のある食べ物の紹介。
これ、特別な食べ物ではありません。
魚なのです。
ワシントン州の50歳から76歳の66616人を対象とした
７年間弱の調査。
その中で151人が膵ガンになりました。
その中で、
揚げていない魚をたくさん食べた人は
膵ガンになる確率が少なかったのです。
この、「揚げていない」は
結構大切。
アメリカは魚のフライがしばしばあります。
イギリスの影響でしょうが
フィッシュ and チップス といって、
白身魚の揚げ物＋フライドポテト
という組み合わせ。
ファースト・フードのお店の名前にもなっていますよね。
でも、
揚げると衣に含まれる油だけでなく
魚の中の油も酸化してしまうと考えられます。
参加した油は「過酸化脂質」と言って、強力な病気の原因。
「揚げ物」なんて
手間暇かけて食べ物を毒に変える技。
揚げ物やさんには悪いけど
食べない方が良い食べ物。
それよりもシンプルにお刺身が良いでしょう。
アメリカの田舎では簡単には手に入りませんが、
私も毎日お刺身を食べたいなぁ。
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もご覧下さいね。
参考：Am J Epidemiol. 2013 Jan 15; 177(2):152-60.
