放射線に安全量はないー低線量内部被爆の問題性

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放射線に安全量はない

低線量放射線による人体への影響はまだまだわかっていません。
これは原爆のように一度に大量の放射線を浴びる高線量被爆と違い、
低線量被爆は症状が現れるのに数年かかるため
被爆との関係がわかりにくいことも関係しています。

事故前までは日本でも法律では
一般国民の被爆線量限度は年間1mSvとされていました。

自然放射線 1.5mSv、CT検査による医療被曝2mSv、過去の核実験による被爆0.5mSvを考慮すると、
年間2-4mVsは被爆するのが一般的です。

注)事故後に法律を改正し、年間20mSvとし、
避難指示をできるだけ出さないようにしています。

さて、
内部被爆は「経口」「経気道」「経皮」に四つ小野で、
微量を体内に取りこんでも24時間、365日、放射線の放出が続き、
各臓器に蓄積し細胞やDNAに損傷を与え続けます。

吸収された放射性物質は血液から体内に広がり、
その核種の好きな臓器、筋肉、骨などに蓄積され
そこから長期間にわたり、放射線を放出します。

例えば、
ヨードは甲状腺に、
セシウムは全身(心筋・骨格筋・生殖細胞・脳細胞など)に影響を与えます。

米国科学アカデミーによると、
DNA損傷は低レベルの放射線でも簡単に起き、
修復がしにくいことがわかっており、
細胞分裂の盛んな胎児、乳幼児、子供ほど影響を受けやすいのです。

さらに、最近では、
放射線による直接的な作用よりも
放射性物質が体液のなかで酸素とぶつかることによって起きる
活性酸素がDNAや組織を損傷し、
発ガンだけでなく、心血管、呼吸器、消化器、免疫力の低下などの病気が起きることもわかっています。

厚労省の基準
現在の厚労省の一般食品での基準では
試算すると年間2.87mSv程度の被爆を受ける可能性があり、
事故前の基準を大きく上回っています。

なおチェルノブイリでは全体の約60%が経口被爆でした。

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