コーヒーは健康効果があるという話もありますし、
そうではないという話も聞かれたことがあると思います。
実際のところ、どうなのでしょう?
コーヒーには様々な成分が入っています。
皆さんもよくご存じのカフェインもその一つ。
覚醒させて頭がすっきして集中力が出ます。
胃液を出す作用もあり、食後に飲むと消化を助けてくれるかもしれません。
気管支を広げる作用もあるので、息が通りやすくなるかもしれません。
また、カフェイン以外にも
抗酸化物質であるポリフェノールのクロロゲン酸などがあり、
コーヒーで糖尿病や肝炎のリスクを減ることと
こうしたポリフェノールは関係していると考えられています。
実際、コーヒー3-4杯で健康効果がある、
という研究はよく見かけます。
でも、実際に飲むと、眠れなくなって困ったり、
覚醒しすぎて後でどっと疲れが出ることもあります。
また、胃が痛くなったりする人もいます。
鉄が吸収されにくくなり貧血になる可能性もあります。
これらの作用で健康効果が出たり、害が出たりするのですね。
カフェインは肝臓や腸管にあるチトクロームP1A2という酵素で代謝されます。
この酵素を作る遺伝子はお父さんからもらうもの、
お母さんからもらうものの2種類あります。
この2種類の組み合わせで、
カフェインが体から出ていくのが
とても速い人、普通の人、とてもゆっくりな人のように差が出てきます。
遺伝子による機能の差はなんと40倍にもなるとされます。
つまり、早い人と遅い人を比べると、
エスプレッソを40杯飲んだ時のカフェインの効き方が、
1杯だけ飲んだ人と同じような感じ、ということです。
カフェインとチトクロームP1A2
さて、そのカフェインとチトクロームP1A2ですが、
こんな研究があります。
コスタ・リカの
心筋梗塞を起こした人正常の人、
2014人ずつのカフェインの代謝酵素のチトクロームP1A2を調べてみました。
正常な人の54%、心筋梗塞を起こした人の55%の人が
カフェインが出ていくのがゆっくりのタイプでした。
さて、このゆっくり型の人が
4杯以上のコーヒーを飲むと心筋梗塞のリスクが64%増えて、
50歳以下で心筋梗塞になる率が4倍になりました。
カフェインの代謝が早いタイプの人は
コーヒーを3-4杯飲むと心筋梗塞の危険がやや下がりました。
多分、コーヒーの抗酸化物質が良い影響を及ぼしているのでしょう。
タバコやお肉の焦げたところ
ところで、この酵素の働きは、持って生まれた遺伝子だけでなく、
タバコやお肉の焦げたところなどにも影響されます。
タバコやお肉焦げたところを食べると、
酵素の働きが良くなってカフェインが早く体から出ていくようになるのです。
タバコを吸う人はよくコーヒーを飲みますが、
カフェインの効きが悪いからなんですね。
ちなみにこの酵素がよく働く人は
アフラトキシンやアリルアミンという物質を活性化しやすく、
肝臓がんや膀胱がん、大腸がんの危険が上がる、かもしれません。
私は自分の遺伝子を調べてみました。
すると、この酵素はゆっくりでも早い型でもなく、中間型でした。
タバコも吸わないし、お肉のおこげも食べないので、
心筋梗塞を防ぐためにコーヒーをたくさん飲んでも、
心筋梗塞に対する効果は期待できそうにありません。
ともあれ、たった一つの遺伝子の差が、
コーヒーで病気を起こす人と、病気を防げる人に
分けてしまうわけですね。
ちなみに遺伝子の検査は2万5000円位~20万円位でできますが、
(会社によっていろいろある)
皆さんも自分の遺伝子の働きを知って、
より生活に生かすのも良いかもしれませんよ。
参考文献
JAMA. 2006 Mar 8;295(10):1135-41
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