キレーション療法の利点と欠点

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キレーション療法とは
悪い金属を体から減らして
倦怠感、不眠、気分の落ち込み、アレルギー、
動脈硬化、ガン、自己免疫疾患などの
毒性金属が関係した様々な症状を減らすことを目的に行われます。

DMSA、DMPS、EDTA、などの薬剤を使って
元素をつかんでおしっこやうんこの中に出して捨ててしまう、
という治療法です。

鉛、カドミウム、アルミニウムなどに対してはEDTA
水銀、ヒ素に対してはDMSA(2,3-ジメルカプトコハク酸 dimercaptosuccinic acid や
DMPS (2,3-dimercaptopropane-1-sulphonat)という薬がよく使われます。

毒性金属だけでなく、必須元素も一緒に捕まえられて出て行ってしまうので
必要なミネラルが不足しやすいのが問題の一つです。

これは必須ミネラルをしっかり補充することで何とか対応できることが多いです。

一般的な副作用

これらが良く知られた副作用です。

DMSAやDMPSのその他の問題点

さて、話が複雑になりますが、
DMSAやDMPSには硫黄(S)が含まれています。
その硫黄を処理する過程で
硫化水素、亜硫酸塩、アンモニアなどができてしまいます。

硫化水素は細胞の中のミトコンドリア内で亜硫酸塩になり、
さらに無毒な硫酸塩になって体外へ出すのですが、
亜硫酸塩から硫酸塩に変えるときに

SUOX(亜硫酸酸化酵素)という酵素を使います。
このSUOXにはモリブデン、ビタミンB12などの栄養素が必要です。

ビタミンB12やモリブデンが食べる量が少なくて足りないか、
使い過ぎて足りないなどの理由で利用できない状態にあると、
SUOXはきちんと働かないので、
硫黄が増えた時、硫化水素や亜硫酸塩が硫酸塩に変われず、
体内に過剰になってしまいます。

例えば、カンジダというカビが腸内にたくさんいると、
カンジダが作るアルデヒドという毒素を解毒するために
モリブデンがたくさん使われてモリブデンが足りなくなり、
SUOXが上手く働かなくなります。

すると亜硫酸塩が過剰になってしまうのですね。

ちなみに亜硫酸塩はドライフルーツの話にも出てきましたが、
アレルギー症状とも関連しています。

また、硫化水素は、火山などにあるあの臭いガスですが、
多すぎると神経毒ですので、神経に炎症が起きてしまいます。
最悪の場合、神経細胞が死んでしまいますし、
そこまでいかなくても痛み刺激に敏感になったり、
興奮しやすくなったりします。

ホモシスティンをシスタチオニンに変換するCBS という酵素が
遺伝的な原因やその他の原因で働きすぎている場合は、
特にこの硫黄の処理やアンモニアが多くできてしまうなどの問題が起きやすく
神経の炎症を強く起こすようになります。

キレーション療法では金属を出して全身の炎症を取りたいのに、
結局、全身の炎症を起こしてしまうことになります。

だからキレーション療法はむやみにする治療法ではないのですね。

もちろん、例外はあり、
「さっき、仕事中に大量に水銀を浴びてしまった!」という様な状況では
キレーション療法はするべきです。

他にも、元気いっぱいだけど、血管内の垢(プラーク)を追い出して、
動脈硬化を改善して心臓病を予防したり、改善したい時にも
キレーション療法は比較的良い選択肢です。

もともと、キレーション療法はこうした、
血管のプラークを排除するために優れた効果が報告されているのです。

ただ、日ごろから、疲れやすい、朝起きた時に元気がない、
眠れない、気分のむらがあるなどの毒性金属の症状がある場合は、
キレーション療法はしっかり体の状態を整えてからの方がよく、
最初にお勧めできる治療法ではありません。
副作用が強いと結局続けられませんしね。

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