このたび、抗菌グッズがついに日本でも規制されることになりました。
2016年、9月30日、
厚労省はトリクロサンなど
19種類の抗菌作用をもつ成分が含まれる
薬用石鹸の切り替えを促すと発表しました。
実はこうした抗菌成分は
かなり以前から安全性が問題視されていたのです。
トリクロサンやトリクロカルバンは
大腸菌やブドウ球菌などの細菌に特に抗菌作用をもっていますが、
抗菌剤耐性菌の出現が懸念され、
トリクロサンはホルモン攪乱物質としても知られます。
2008年にはラットへのトリクロサン暴露によって
甲状腺ホルモンが減少したとする研究があり、
2010年にはフロリダ大学のMargaret James氏らが、
妊娠中の女性へのトリクロサン暴露が
エストロゲンの分泌異常を引き起こし、
胎児に悪影響を与える可能性があると発表しています。
2012年には、カリフォルニア大学デービス校のグループが
トリクロサンへの暴露が
魚類およびマウスの筋肉の活動性低下を引き起こしたという報告もあります。
ヨーロッパでは2015年から
トリクロサンやトリクロカルバンは石鹸などへの使用が禁止されており、
アメリカ、ミネソタ州では
2017年からトリクロサンを含む石鹸などの商品販売が禁止されます。
また、極めつけは
他のものと比較して感染症の予防に優れる効果が認められなかったのです。
つまり、百害あって一利なし、ってところですね。
厚労省は
トリクロサン、トリクロカルバンをはじめ19種の成分を規制対象とする、
としています。
詳しくは下の概要欄に厚労省のホームページのURLを乗せておきますので、
ご興味のある方は見てくださいね。
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11125000-Iyakushokuhinkyoku-Anzentaisakuka/0000138230.pdf
さて、こうした抗菌成分はどんなものに使われているのでしょうか?
代表的なものは
固形石鹸、液体石鹸、シャンプー、などですが、
世界でも最高とも言える日本人の清潔志向を反映してか、
その他にも化粧品、ランドセルだの、ボールペン、靴下などにまで使われていますよね。
もう、どれに付いているかわからないくらい!
我が家は石鹸手洗いそのものをあんまりしないし、
歯磨き粉や化粧品もほとんど使わないのですが、
ボールペンや下着に付けられていたらかないませんね・・・。
さて、抗菌グッズは1990年代からかなり大量に出回っていましたが、
20年以上経ってから規制されるとは、
政府の「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」って何なんでしょうね?
今後も、これまでは許可していたけど、やっぱり危なかったから今日から使用禁止!
みたいなものが、どんどん出てくるのでしょうね。
変なものにお金を使っていたら、
無駄金どころか病気にまでなっちゃう世の中です。
くわばらくわばら・・・。
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